Einmal 対談(第1弾)指揮者・佐久間一平「思いやりの心の先に最高の音楽がある」

代表挨拶

本サイトをご覧いただき、まことにありがとうございます。

Einmal Project(以下本プロジェクト)を立ち上げ、代表を務めさせていただいております、稲垣悠一郎(いながき ゆういちろう)と申します。

本プロジェクトは、プロ・音大生・アマチュアの垣根を超え、純粋にいい音楽を追究しようという団体です。

この団体について、理念や指針、今後の目標など、指揮者・奏者・運営メンバーとの対談を通じて、皆様にお伝えできたらと思います。

記念すべき「Einmal 対談第1弾」は・・・当団立ち上げ当初から指揮者として参加していただいている佐久間一平(さくま いっぺい)さんにお話を伺ってきました!

対談

稲垣
それでは記念すべき対談第1弾、よろしくお願いいたします!

佐久間
よろしくお願いいたします!

稲垣
そういえば佐久間さんとはいつ知り合ったんでしたっけ?

佐久間
きっかけはワールドシップオーケストラですかね?

*ワールドシップオーケストラ:クラシック音楽を聴いたことのないアジア、東南アジアの子供達に音楽を届けるオーケストラ(当団の後援もしてくださっています)

稲垣
そうですね。ただ、僕はインドネシアプロジェクトのソリストで、佐久間さんはカンボジアプロジェクトの指揮者でしたね。日本で行われた次期プロジェクトの指揮者オーディションで初めましてだった気がします。

佐久間
そうですね、これ、ワールドシップあるあるですが、お互い会った事はないけど噂では多分会う前からお互いを認識はしてましたよね!

稲垣
はい、そのあと2017年5月に僕が主催していた別のコンサートにチェロで参加してくださって、そこからお互いの音楽感を話すようになった感じですかね?


佐久間
そうですね!そのコンサートの飲み会で、私がオケやりたいな〜って言ったら、がっきーが「じゃあやろう!」って言ってくれて、Einmal Orchestraという1日オケが実現しましたね!


*1日でチャイコフスキー交響曲第5番を練習し、夜に録音する、という1日限りのオケを結成した。全国から70人ほどの奏者が集まった。この時は稲垣、佐久間を含め、4人で共同運営した。

稲垣
僕はやっぱり、この1日オケで確信したんですが、集中力ってすごいなと、もう1日しか集まれないメンバーで、最高の音楽を作ってやろうという気持ちが各奏者から感じてきて、オケをやってて初めてひいている最中にうわ〜〜〜〜っていう何かが込み上げてきて、この活動は絶対続けなきゃなって思ったんです。

佐久間
この時にみんなに「音楽の一回性の大切さ」の話をみんなにしましたっけ??

稲垣
そうですね、今回のEinmal Projectの理念の1つですよね、僕は、この1発オケの時に佐久間さんのお話を聞いて、妙に納得しちゃって、今では僕の音楽の拠り所にもなってます(笑)

佐久間
この「音楽の一回性」は私が特に大切にしたい理念の1つでもあります。

稲垣
もうちょっと詳しく教えてもらっていいですか?

佐久間
音楽の一回性、という言葉を使いはじめたのは20歳の頃で、父親を亡くした時の年齢です。詳細は重たくなってしまうので割愛しますが、ある演奏が「誰かにとっての最後」、になることが十分あり得ます。
それは本番に限らず、家で何気なく弾いた演奏ですらも「最後」になるかもしれない。
何が言いたいかっていうと、音楽は時間芸術だということです。
一度出した音と同じ音はもう二度と出せない。
一度雑に出してしまった音が「最後」なら、状況によっては取り返しのつかない後悔を呼びます。
一回性を常に意識して、音楽と常に真摯に向き合い、自分の持てる最高の表現を常に心がける。
これが生きている実感にも繋がるので、最も大事にすべきだと考えます。

稲垣
なるほどです、多分1発オケで成功したのも、僕が弾いてて感動したのも、この「音楽の一回性」を全奏者が意識してたからだったと思いました。

佐久間
そうですね、今後のコンサートもこの「音楽の一回性」という理念は、Einmalに参加する全奏者が意識してほしいな〜と思っています。

稲垣
ちょっと話題を変えてみます。ところで佐久間さんはなんで指揮者をしているんですか?(笑)

佐久間
実は自分で指揮がしたくて始めたわけじゃありません。(笑)
指揮を始めたのは高校1年生になりますが、当時は学校のオーケストラ部でクラリネットを吹いていました。(今では信じられない)
ですが余りにも練習しないし下手くそ、で見かねた1つ上の先輩が「お前は指揮者をやれ!」と。
「ピアノ昔から弾いてたし、指揮もできるやろ!」と、とっても安易な気持ちでいましたが、全く上手くいかず(笑)
悩んで悩んで苦しんで(きっと当時の奏者の皆様はもっと苦しかったことでしょう…)、そのことばっかり考えているうちに、指揮者になっていったのだと思います。
当時オーケストラに誘ってくれた同じクラスの子と、出会った先輩たちには今でも本当に感謝しています。

稲垣
え、クラリネットもやっていらっしゃったんですか!!それは初耳でした・・・

佐久間
そうなんです、今の私しか知らない人は、指揮者としての私しか知らない人も多いんですよね(笑)


稲垣
って事は、佐久間さんは、ピアノ、チェロ、クラリネット、指揮者・・・・ だから、弦楽器にも管楽器にも的確に指示を出されていますし、みんなから信頼される指揮者ですよね。

佐久間
信頼・・・されているかどうかはわからないけど、指揮するに当たって、私は「人を思いやる心」が最も大事だと、いつも言い聞かせています。指揮者は一人だけでは音楽はできません。人をインターフェースとして初めて音を奏でることが出来ます。
もちろん媚びたりただ優しいのとは全く違いますよ、厳しい事だってたくさん言います。
けど、そこに思いやりがなければ、音楽的に優れた指導をしたとしても、「良い演奏」には決して繋がらないと感じます。

稲垣
素晴らしいですね、奏者がどんなことを意識すべきかは、とってもよくわかりました。では、結果的にどんな演奏を目指しますか?こだわりというか、そういうのなんかあればぜひ教えていただきたいです!

佐久間
こだわり、かどうか分かりませんが、奏者の表現がお客様に正しく伝わるような演奏をしたいですね。
喜怒哀楽、その他複雑な表情を、正確な技術を持って正確にお客様に伝えて感動を与えたい。
そのためにはしっかりとした基礎の上に緻密なアンサンブル力、感情のコントロール力、曲全体を俯瞰する高い構成力、などが必要かと思います。
ここはぜひEinmalの皆様とこだわっていきたいポイントです。

稲垣
なるほど、わかりました!今佐久間さんは海外赴任なさっていて、日本に帰国するのは、早くても3年後?ですね、3年後にEinmal のみんなで演奏したい曲とかありますか?

佐久間
振りたい曲…今はシベリウスの交響曲第一番とブラームスの交響曲第四番ですかねえ。まぁでも突出したものはなくて、何でもEinmalの皆様と挑戦していきたいですね。
日本に戻ってからになるので、まだまだ先になりそうですね。

稲垣
ありがとうございます^^ ぜひ、やりましょう、それまでにこの団体をきっと成長させてみます。ところで、僕が、この団体を設立した目的というか目標が実はあって、「クラシック音楽の良さをもっと多くの人に知ってもらいたい」というものなんです。でもなかなかこれを言語化するのが難しい、奏者しかなかなかわからないような良さとかもあって・・・今後活動をしながら、この辺もちゃんと伝えられるようになりたいなって思っているんです。佐久間さんは、クラシック音楽のどんなところに魅力を感じていますか?

佐久間
色々あると思いますが、私は「普遍性の高さ」だと思います。
クラシックは感情、葛藤、生死、自然、歴史、などのテーマを扱うことが多いです。(賛否あるとは思いますが)
これらは世代に関わらず、常に人間と隣り合わせにあるものです。
従って、普遍的なテーマを表現するクラシックは、時を超えて人間の本質そのものに訴えかけてくる力があるので、いつまでも愛されるのだと思います。
理屈っぽくなってしまいましたが、良いものはとりあえず良い、で十分だと思います(笑)

稲垣
クラシック人口を増やすには、この辺も突き詰めていきたいですね〜!クラシック音楽以外にも他のジャンルの音楽は聞いたりするんですか? 僕はほとんどクラシックしか聴かないもので・・・

佐久間
どんなジャンルでも聴きますね!
有名どころだと、Billy Joelから乃木坂46まで。今日はMr.childrenを聴きながら帰宅しました。
クラシック/クラシック以外という線引きもあまりしたくないですね。
いい音楽に垣根はありませんから。

稲垣
最後に、好きなもの教えてください(笑)(ネタ切れ感半端ない)

佐久間
何ですかこの質問?(笑)
ビール、ウイスキー、焼き鳥、ラーメン、納豆、ハンバーグ、明太子
マッサージ、岩盤浴、橋本環奈、石原さとみ……

稲垣
なんで浜辺美波ちゃんが入ってないんですか!←

佐久間
・・・・・・

稲垣
本日はお忙しい中、ありがとうございました、また、対談させてください!

佐久間
ありがとうございました!ミニヨンのコンサートも杉並公会堂のコンサートも頑張ってください!

(完…)

プロフィール

佐久間一平/Ippei Sakuma

大阪府出身。5歳よりピアノを始める。2001年PIARAピアノコンクール全国大会優秀賞、2004年「長江杯」国際音楽コンクール第3位(1・2位なし)2008年KOBE国際学生音楽コンクール奨励賞、2010年ベーテンピアノコンクール大学・大学院の部全国大会第1位及びエクセレンス賞受賞、2014年大阪国際音楽コンクールコンチェルトコース第2位、など数々のコンクールで入賞。高校より指揮者として活動を始め、卒業時に北野高等学校文化活動振興賞を授与される。これまでに神戸大学交響楽団、セシリアフィルハーモニー交響楽団、NPO法人Worldship Orchestraなど多数のオーケストラの指揮を務める。現在、企業に勤める傍ら、指揮者としても活動中。2018年よりマレーシア赴任により、当プロジェクト名誉指揮者に就任。帰国後に指揮者復帰予定。

*2018年2月に演奏された。九段協会コンサートより
[kanren postid=”131″]
[kanren postid=”71″]

Einmal 対談(第1弾)指揮者・佐久間一平「思いやりの心の先に最高の音楽がある」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

トップへ戻る