Einmal 対談 第6弾
第5弾は三浦稔史さんです。まだの方はこちらからご覧ください!(対談の内容は順に見た方が楽しめます^^)
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本サイトをご覧いただき、まことにありがとうございます。
Einmal Project(以下本プロジェクト)を立ち上げ、代表を務めさせていただいております、稲垣 悠一郎(いながき ゆういちろう)と申します。
この対談の趣旨は、奏者やメンバーのみんなとの対談を通して、Einmal がどのような団体であり、何を目的に活動しているのか、ということを少しでも多くの人に知っていただきたいと思いから対談させて頂いております。
第1弾は、指揮者・佐久間 一平(さくま いっぺい)氏
第2弾は、渡邉 彩恵香(わたなべ さえか)さん
第3弾は、染村 成実(そめむら なるみ)さん
第4弾は、杉山 祐一(すぎやま ゆういち)さん
第5弾は、三浦 稔史(みうら としふみ)さん
と対談させて頂きました。
本日は、今まで全員弦楽器でしたが、オーボエの小原 和花子(こはら わかこ)さんと対談させて頂きました!
それでは、わかこちゃん、よろしくお願いいたします!
わかこちゃんとは、2016年にワールドシップオーケストラインドネシアツアーに、一緒に行ったメンバーの一人で、なんだかんだ今回一緒にこうやって同じコンサートに出るのは、3回目?になるのかな? 今回は一緒には演奏しないけど、こうやっていつも僕の企画に乗ってくれるので嬉しく思います^^
去年の夏(2017年5月)にバッハのオーボエとヴァイオリンのためのコンチェルトを全楽章やりましたよね♪
*演奏はサイトトップの動画集でもご覧いただけます。
そうね!お互い弾きたい曲がちょうどマッチングしてタイミング良すぎか!って思った(笑)そのコンサートの後、1発オケにも参加してくれて。そして、ドイツに留学に行ったってかんじだよね?ドイツではどんなことをやってたの??
そうですね、もうすぐ帰国なのですが、現在はドイツのベルリン市にある、ベルリン自由大学に一年間の派遣留学をしていて、実際にネイティブの学生に混ざってゼミや講義を受講していました。現在は舞台芸術に興味を持っており、言語というツールを活かし、日本語圏の中に居ては知り得なかった観点からもこれについて研究していけたらなと考えています。
Facebookで音楽関連の投稿をみて、羨ましいな〜〜とか思ってた(笑)今はまだ大学生で、語学も勉強しているんだよね?
はい!現在は東京外国語大学でドイツ語を専攻しており、主にドイツ語やロシア語、それから英語を、言語のみならずその背景知識や文化と共に日々学んでおります。
なんか、色々勉強するうちに、音楽に対する考え方もどんどん更新されていくんじゃないかしら? クラシック音楽について、どんな良さがあると思いますか?
正に叡智の結晶ってところですかね(笑)長い歴史の中で、数多くの天才たちが音楽の可能性を広げようと人生を掛けて発展させてきたものですから、知恵の宝庫であると同時に、歴史や風景描写、または音楽の法則に則った言葉遊びみたいなものも隠れていたりして、一度クラシックの世界に足を踏み入れてしまえば、あとはもうあらゆる側面から楽しむことが出来ると私は思っています。
実際に作曲家の生地を訪れたりすると、「あ、こんな環境で音楽を作ったんだ!」とか色々わかってきて、もっともっと音楽が好きになるよね!
そうなんですよ!私は、一番好きな音楽家がグスタフ・マーラーなんですけど、この留学中にも彼の生家から墓地、数々の職場から作曲小屋までを巡る一人旅をしてきました笑
羨ましい〜〜〜僕も小学5年生の時にみんながオレンジレンジとか聴く中、一人マーラーのシンフォニー5番に目覚めてずっと聴いてたな〜(笑)マーラーのどこが好きなの?
それは早熟ですね(笑)彼の音楽は現代的だと言われますが、その一方で情景描写が純粋できれいな部分もあったり、心の琴線に触れるような美しいメロディーを書きつつそれに最後まで浸らせてくれないところもあったりして、このアイロニカルで両義的なところが本当に大好きです。何故彼はオーボエの為に曲を書いてくれなかったのでしょうか(T₋T)
いや、無くて良かったかもよ・・・どんな難しい曲になるのか想像がつかないわ・・・(笑)マーラーの音楽は純粋さというか、一切汚れがない感じ。ちょっと語り出すと止まらないからマーラーのお話はまた今度にしましょう(笑)ところで、わかこちゃんはなぜオーボエを始めたの??
選んだきっかけは大したことが無くて、リコーダーが得意だったから縦笛が吹きたいって思っていて、一番理想の形をしていたからです(笑)、ただ、クラリネットと悩んだときに、音色がオーボエの方が竹を割ったようなクリアなサウンドで、自分の性格に合ってるなと思ったからですかね。
その楽器を選ぶきっかけって意外と大したことない人が多いよね(失礼)でも、それでいいし、ある程度吹けるようになれば選んで後悔するってこともあまりないだろうしね。
そうですね、実際、オーボエはちょっと人の声に近いような、かなり個性的な響きを持つ楽器で、奏者によって本当に様々な音が出るので、自分の努力次第で理想の音色を求めていける所が好きですね。また、オーボエはリードを自分で作るので、そういう自分だけのこだわりを楽器に色濃く反映させられるところも魅力じゃないかと思います。
なるほど、では、今回演奏するライヒャの木管五重奏について。オーボエパートとしてこだわりたいことを教えてください^^
今回のアンサンブルでは、出だしから主旋律を担当しているので、(こういう肝が冷える場面はオーボエ奏者でありながらもちょっと苦手です…💦)ここで私がお客さんの心を掴めるように、魅力的な旋律を作っていこうと思っています。また、今回のアンサンブルではフルートとの掛け合いがとっても重要で、フルートが旋律をやっているときに対旋律でそれを盛り上げたりと様々な役割をオーボエが担っているので、他の皆さんの響きに華を添えられるように演奏出来たらなと考えています。
実際にYoutubeで聴いたんだけど、とってもいい曲だよね。弦楽器にはない、美しさを楽しむことができる曲で、僕も聴くのがとても楽しみです!最後に、音楽をする上で、一番大切にしていることを教えてください!
ずばり、響きですかね。例えば同じ編成で同じ曲を何度か演奏する機会があったとしても、奏者が違えばその曲は全然違うものになります。楽団の個性やレベルもそうですが、会場がどこか、あるいはその日の天気や、はたまたお客さんがどんな気持ちで聴くのかによっても、そこで生まれるサウンドや、そのコンサートの響きはその時にしか聴くことのできない、一回きりのものになります。私はコンサートに参加するときはいつも、今日はどんな響きになるかなとわくわくしながら本番に臨んでいます。今回奏者として、私は、この五人でしか出せない、表情豊かなライヒャのサウンドを目指していきたいなって考えています。もちろん、この一回の演奏が一人でも多くのお客さんの心にずっと残り続けるような、そんな見事な一回が理想です。
ありがとう!今日は、帰国前のお忙しい時にありがとうございました!色々なお話を聴くのを楽しみにしています^^
(完)
小原 和花子 / Wakako Kohara
1996年生まれ、長野県出身。13歳よりよりオーボエを始める。これまでに浜道晁氏、田渕哲也氏に師事。埼玉栄高校吹奏楽部としてウィーン青少年国際音楽コンクール吹奏楽の部にて1位を受賞、全日本吹奏楽コンクールにて金賞を受賞。大学在学中には東京外国語大学管弦楽団に所属していた他、留学先でBrandenburgischer Sinfonieorchesterを始めとする複数の現地アマチュアオーケストラの演奏に参加。他にも2016年ワールドシップオーケストラインドネシアツアーに参加。
出演するコンサート;杉並公会堂小ホール(2018年12月22日)